生命保険/告知義務違反の具体例(さらに詳しい解説)
生命保険に加入する人は、契約の際、「告知書」に健康状態などを記入します。
また、死亡保障が高額の場合には、医師の「診査」を受けます。
いずれの場合も、現在の健康状態や過去の病歴などを正直に申告しなければなりません。
これを「告知義務」といいます。
そして、正直に申告しないことを「告知義務違反」というのです。
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あなたが胃ガンの手術を終え、数日前に退院したばかりであるのに、
これをかくして「医療保険」に加入したとします。
※病歴をかくしても、契約は成立します。
また、この時点では、「告知義務違反」には問われません(会社はまだわからないので)。
その後、契約から半年後に、再発しました。
あなたは入院し、再手術を受けました。
そして、保険会社に、入院給付金と手術給付金の請求をしました。
保険会社は当然調べます。
あなたの病歴を調べるのです。
病院に問い合わせたところ、前回の手術と入院の事実が分かりました。
あなたは、ここではじめて<クロ>になります。
「告知義務違反」を犯したことになり、いっさいの給付金請求は退けられます。
通常、契約から2年(会社によって1年のところ、3年のところがある)が経過すると、
「告知義務違反」は問われなくなります。
より正確に表現すると、
2年(1年、3年)経過すると、ウソの告知内容であっても会社は契約を解除できない、という意味です。
しかしながら、保険金や給付金を支払うかどうかは、また別問題なのです。
ちょっと回りくどい言い方になりました。
結論をいいます。
「告知義務違反」の内容によっては、2年(1年、3年)が経過した後であっても、
会社が保険金を支払わないこともある、ということになります。
つまり、内容によるわけです。
そして、これにはつぎのような法的根拠があるのです。
1)保険の約款には「重大事由」がある場合には解除できると書いてあります。
2)さらに大きなククリとして、民法の詐欺行為に関する規定があります。
この規定により、重大なウソをついていたと見なされれば、何年経過していようが、
保険会社は1円も支払いません。
そういうわけで、上のケースのように、ガンで手術・入院したばかりであることをかくしていた場合は、
たとえ2年を経過した後の再手術・再入院であっても(上の例は半年ですが)、
悪質かつ重大な違反と見なされ、保険金・給付金は100%支払われません。
| 「告知義務違反」の実際は、もっと微妙で、グレーゾーンにかかっているケースが多い |
たとえば、あなたが「医療保険」に加入したい場合。
加入したいということは、現在健康だけれど、将来に備えて、ということもあるでしょう。
でも、やはり、いま現在健康に不安を感じているからこそ、加入を検討しているのではないでしょうか。
つまり、生命保険に加入しようとする人は、加入の際、微妙な立場に立っている方が多いのです。
上に上げたガンの実例などは、実は、わかりやすい部類です。
実際の加入に当たっては、もっと微妙な問題を抱えている方が多いのです。
たとえば、ここに高血圧の傾向にある人がいるとします。
高血圧といっても、普段は何でもないのです。
しかし、病院で検査を受けると、たいてい高い数字がでてしまうのです。
この人が、「医療保険」の加入を検討しています。
「告知書」の欄を見ました。
そこには「過去2年以内に医師の治療を受けたことがあるか」、
といった欄がありました。
実はあるのです。
1年前にちょっと具合が悪いので、お医者さんに見てもらったところ、
高血圧の傾向がある、といわれたわけです。
ただし、病名は何だかよく分からず、
治療もそれ1回きりで、
その後、体調は元に戻っています。
このケースで、この人は、このことを「告知書」にちゃんと書かなければいけないのでしょうか。
どうです?
そうなんです。
実際には、こういう微妙なケースが非常に多いのです。
わたしは上の答えをあえてここには書きません。
べつに意地悪をしているのではありませんよ。
みなさんが生命保険に加入する際、上のような微妙な心配事があったら、
代理店さんや保険会社に相談してください。
あるいは、「事前審査」という制度を活用してください。
「事前審査」とは、「告知書」などに記入したものを、契約するしないにかかわらず、
まずは保険会社に提出し、通るか通らないかお伺いを立てる制度のことです。
たしかに、イヤでしょう。
気持ちは分かります。
そんなものを出してしまって、もしダメだったら、
もうその会社の保険には入れなくなる、
と思ったりもするでしょう。
そのお気持ちは充分よく分かります。
※※※実際にこんな事例があります。
代理店時代、わたしのお客さんが、
テレビコマーシャルで有名なある保険会社の「医療保険」を検討していました。
(わたしの扱うものより保険料が安かったので)
その方は、軽い花粉症でした。
しかし、医者に通うほどの重症ではありません。
ただ、シーズンのはじめに、
予防的な意味で1度病院にかかり、
薬をもらう程度です。
さて、その方は、その有名な会社の「医療保険」の告知書に、
この事実(予防的な1回だけの通院)を正直に書いたのです。
すると、どうでしょう。
「加入不可」の知らせが届いたのです。
そして、わたしのところに駆け込んできました・・・・・・。
(わたしの扱う会社ではOKでした)
いずれにしても、重要なことを1つ申し上げます。
どの程度なら○で、どの程度なら×かは、実は、保険会社によって基準が違うのです(いや、ほんとうに)。
ですから、
A社ではねられた人がB社では加入できた、という事例もたくさんあります。
したがって、加入に際して、告知内容などに心配事がある方は、
とにかく自分の中に抱えておかずに、
専門の人に相談してください。
そして、「事前審査」をするのが一番確実な方法ですよ。
ごまかして加入し、保険がおりるかおりないかヒヤヒヤして暮らすなんて、
考えただけでもウットウシイじゃありませんか。
思い切って、相談なり事前診査なりを受けて下さい。
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