生命保険と税金(さらに詳しく解説)
生命保険に関する「税金」は、おおまかにいうと、2つの側面に分類できます。
1つは、あなたが支払った「保険料」に関係する「税金」。
もう1つは、あなたが受け取った「保険金」に関係する「税金」です。
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あなたが保険会社に支払う保険料(掛け金)は、所得控除の対象になります。
反対に、あなたが保険会社から受け取った死亡保険金や満期保険金には、
ケースによって、相続税、所得税、贈与税がかかります。
年末調整や確定申告で、その年に支払った「医療費」の領収証を提出した経験がありますか?
領収証を提出することで、税金が少し安くなりますね。
これと同じように、あなたが支払った生命保険の保険料(掛け金)も、所得税の控除対象になるのです。
毎年、年末になると、加入している保険会社から、
「保険料控除証明書」と印字されたハガキ等があなたの家に送られてきます。
このハガキを、そのまま会社の担当者に提出してください。
確定申告をする場合は、申告書に添付してください。
そうすることで、以下のように、所得税・住民税が<ほんの少し>安くなります。
(所得税) 5万円 (住民税) 3万5千円
さらに、個人年金保険に加入していて、それに「税制適格特約」がついているばあいは、
上の金額にプラスして、
(所得税) 5万円 (住民税) 3万5千円
が控除されるのです。
したがって、たとえば、「終身保険」と「個人年金保険」の両方に加入している方であれば、
所得税で10万円、住民税で7万円まで控除されることになります。
※ ※ ※
もちろん、上の5万円とか3万5千円といった金額は、
あなたが実際に支払っている保険料の額が、年間でこれを超える場合の話です。
もしも、あなたが「終身保険」だけに加入していて、
この保険の年間保険料総額が3万円であったとすると、
所得税も、住民税も、それぞれ3万円の控除になってしまいます。
※ ※ ※
また、しばしば誤解されることですが、
上の数字は、課税対象となる所得税や住民税から5万円、3万5千円をそれぞれ引く、
という意味に過ぎません。
そして、その残りの額に対しては、当然、しっかり課税されます。
したがって、あなたの所得税が、即5万円引きになったり、
住民税も即3万5千円引きになったり、
そういうことではありません。悪しからず。
※実際に安くなる税額は、全体の所得額等によるのはもちろんですが、
おおまかな目安として、
控除額の10分の1程度だといわれています。
ですから、満額控除できたとして、
所得税で5千円トクし、住民税で3,500円トクする、といったところ。
そういうわけで、あまり過度の期待はしないでください。
<「死亡保険金」を受け取った場合>
さて、ここでは逆に、
あなたが保険会社から死亡保険金や入院給付金等を受け取った場合、
そのお金にはどんな税金がかかるのか、あるいは、かからないのか、
この点を解説します。
※ ※ ※
「死亡保険金」
契約者 被保険者 受取人
@ 夫 夫 妻 → 相続税
A 夫 子供 夫 → 所得税
B 夫 妻 子供 → 贈与税
@は、最も一般的な加入の仕方ですね。
この場合、受取人は妻ですが、
夫の死亡によって<相続>が発生するので、
子供も関係してきます。
もし、子供が2人であった場合、
妻と合わせて「法定相続人」は3人になります。
したがって、下の計算式のようになります。
死亡保険金−(法定相続人3人×500万)=X
X+その他の相続財産=相続税課税対象額
上の式で、死亡保険金が3,000万だとすると、
Xは1,500万になり、
その結果、
相続税課税対象額は、1,500万+その他の相続財産、ということになります。
そういうわけで、相続税の場合は、
比較的税率が低いので、
その他の相続財産が相当高額でない限り、
税金がかからないケースがほとんどです(特に、配偶者が相続する場合。資産家は別ですが)
Aの場合。
「こども保険」などでは、こういう加入の仕方が一般的です。
この場合は、夫が「一時所得」を得たとみなされ、所得税が課税されます。
下の計算式になります。
【(死亡保険金−保険料支払総額)−50万】÷2
この式に当てはめて出てきた数字を、他の所得と合算し、
その合算額に対して所得税が課税されます。
したがって、一時払いなどの、よほど高額な保険契約でない限り、
まず心配することはありませんね。
安心してください。
Bのケースです。
たとえば「終身保険」でこのような加入の仕方をした場合、
受取人の子供は、夫(父親)から贈与を受けたとみなされ、
贈与税の対象になるのです。
ただし、贈与税には、一律110万円の控除があります。
妻の死亡保険金が1,500万だとすると、
1,500万−110万=1,390万となり、
1,390万に対して贈与税がかけられるのです。
では、実際に、贈与税はいくら支払うことになるのか?
実は、「速算表」というのがあって、だいたいの金額がわかります。
下の表は、2005年2月現在の「贈与税の税額速算表」です。
この表に当てはめて、上のケースの金額をはじき出してみましょう。
基礎控除(110万)後の課税価格(a) 税率(b) 速算控除額(c)
200万以下 10% ---
300万以下 15% 10万
400万以下 20% 25万
600万以下 30% 65万
1000万以下 40% 125万
1000万超 50% 225万
<計算方法 (a)×(b)−(c)=納税額>
1,390万×50%−225万=470万
470万です。
これが、子供が支払う納税額になります。
したがって、死亡保険金1,500万のうち、
子供が手にするのは、1,030万ということになり、
なんだか、トホホな感じですね。
そうなんです。
税金の中で、贈与税というのは、もっとも税率が高いのです。
だから、よほどの事情がない限り、こういう加入の仕方は避けた方がいいですよ。
※ ※ ※
<「満期保険金」を受け取った場合>
「養老保険」や「こども保険」では、
被保険者が死亡することなく満期を迎えた場合、
「満期保険金(生存保険金)」が受け取れます。
この保険金の場合も、契約の仕方によって、違った税金が掛けられます。
◎まず、契約者が父親、被保険者が子供、受取人が父親、というケースを見てみましょう。
このケースは、所得税です。
父親は、この保険によって「一時所得」を得たとみなされ、所得税が課税されるのです。
計算式は、「死亡保険金」の場合と同じで、
【(満期保険金−保険料支払総額)−50万】÷2、
です。
よほど率のいい、しかも、高額の契約でない限り、所得税はほとんどかかりませんね。
心配無用です。
◎つぎに、契約者と受取人が違う場合です。
「養老保険」などは、通常、上の例のように、契約者と受取人は同じ人なのですが、
何かの事情で、別の人に指定することがあります。
たとえば、契約者が父親、被保険者が子供、受取人が母親、といったケースです。
この場合は、父親から母親に満期保険金を贈与したと見なされます。
したがって、贈与税の対象になるのです。
そして、「死亡保険金」のところで計算したように、
贈与税は一番税率が高いので、
支払う税金も、バカにならない金額になることがあります。
あなたの家の契約で、こうした加入の仕方をしているものがあるでしょうか?
さいわい、まだ満期がきていないのなら、
満期保険金受取人は変更できます。
よほどの事情がない限り、契約者と受取人は同じ人にしておく方が無難ですよ。
◎最後に、「一時払い養老保険」というのをご存じですか?
この保険の場合、特別の課税方法が採られているのです。
期間が5年以下の「一時払い養老保険」は、
預貯金でおなじみの、20%分離課税、となっています。
ですから、申告する必要はありません。
また、本来の保険期間が10年とか15年といった「一時払い養老保険」でも、
5年以下で解約する場合もあります。
この場合も、20%の分離課税になっています。
※上の解説を読んで、何だか面倒そうなので、知らなかったことにしておこう、
つまり、申告などしないでおこう、
とお考えのあなた。
気持ちは分かります。
しかし、残念なことに、配当金を含まない満期保険金の額が100万を超える場合は、
保険会社から税務署に「支払い調書」というものが直送されるのです。
保険会社の義務なのです。
だから、<筒抜け>になっているのです。
残念。
満期金が100万に満たない方は、文字通り、ほったらかしでけっこうですが、
超える方は、まじめに申告してください。
ちなみに、税務申告のミスのうち、
満期保険金の記入漏れは、代表例だそうです。
最も多いものの一つなんだとか。
申告に不備があると、
税務署から、
後日、「あなたの申告には誤りがあります」という通知が来ます。
当然、あなたは「修正申告」に応じなければなりません。
※いずれにしても、生命保険と税金は、複雑でやっかいなものです。
こういう問題こそ、ファイナンシャルプランナーの独壇場です。
税理士さんは、この件に関して、
すごく詳しい人と、そうでない人が混じり合っていますが、
ファイナンシャルプランナーは、まさに、こういうことを専門分野にしている人たちなのです。
わからないことがあったら、気軽に相談してみてください。
<無税になるもの>
うれしいことに、全くの無税になるものもあります。
以下の保険金・給付金は、
受取人が被保険者本人、または親族の場合、
すべてお見舞い金扱いとなり、無税です。
申告する必要はもちろんありません。
・「医療保険」「ガン保険」から支払われる「入院給付金」、「手術給付金」、「通院給付金」など。
・リビング・ニーズ特約によって支払われる「生前給付金」
(本来は「死亡保険金」ですが、生前に支払われるので、お見舞い金扱いになります)。
・「高度障害保険金」
・三大疾病保険から支払われる「診断給付金」
(ガン、脳卒中、急性心筋梗塞のいずれかだと医師が診断を下したときに出る給付金)
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